歪みのないパイプの内外径切削

テラダは極低温冷凍機業界での部品加工に長年携わってきた中で、歪みのないパイプの内外径切削の技術を磨きあげて参りました。

歪みのないパイプの内外径切削

「歪ませない」旋盤加工

テラダは極低温冷凍機業界の部品加工に長年携わってきており、様々なチャレンジをしてまいりました。
その中でも極低温という厳しい環境で使われるパイプ部品に特に力をいれてきました。

絶対零度付近の極低温装置で使用される部品は、高精度な薄いパイプがとても多く使用されています。
装置の場所にも依存しますが、中でもコアパーツ近くになりますと常温~極低温という温度を何度も行き来するため、なるべく薄い製品で、熱ひずみの少ない均一な設計が数多く見られます。

医用画像診断装置などといった医療用に使われる製品に携わる際、高精度で高品質な製品を特に求められます。それらの加工を日々格闘している間に弊社が自信を持つ超薄物旋盤加工では幾何公差に対応するという「歪ませない」旋盤加工を実現できるようになりました。

「歪ませない」を実現するために、2つの大きな工夫を行っております。

歪みのないパイプの内外径切削 薄物旋盤 治具 刃物 自作 株式会社テラダの加工技術
歪ませない工夫【1】:治具を自作する

加工速度を考慮すると圧倒的にチャックでの加工が利を得ますが、幾何公差に対応する精度を求められる場合、チャックでの加工が正解とは言えません。3つ爪であったり、4つ爪であったり、6つ爪であったとしても、把握点はどうしても極論「局所的」となり「おむすび形状」に歪むことがしばしばあります。

テラダは、その製品に形状が一致した治具を100分の1mmの精度で自作することにより、歪みを少しでも抑えようと工夫してまいりました。
歪みを抑える治具の精度・設計は容易ではありません。
見直し検討しては挑む…ということを何年もかけて挑戦し続け、その結果、最良の形を経験として得ることができ、治具の本質的な理解を深めるに至ったと感じております。

歪ませない為には綺麗な治具で把握する、それが大きな工夫の一つです。

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歪ませない工夫【2】:切れる刃物を自作する

切れない刃物で加工すると「押し切り」になってしまう為に組成が変わり歪む原因となってしまいます。
アルミでは構成刃先と呼ばれる現象もその一つではありますが、ムシれやバリが出るような刃物では製品の組成を崩してしまう為に精度が崩れます。

テラダの職人は全て手作業で刃物を作る技術を持っておりますので、精度を求められるワークでは市販のチップを選定せず、更に切れる刃物を自作しております。

切れる刃物により、ワークにかかるストレスを極端に減らすことができるので、高精度のパイプの加工が可能になります。

自作の刃物と市販のチップで加工した同じ製品を最終検査データで比較した場合、数値として差が現れてくることがあります。
市販のチップでも選定によっては何ら問題ない場合ももちろんありますが、超高精度の案件に関しては刃物を自作することを選択してしまいます。

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挑戦し続けること

上記の歪ませない工夫と謳った2点は基本の技術ですが、テラダではこれらを当然にできることを前提に、加工方法や条件、手順、熱の入れ方、熱処理、油、温度など様々な技術を組み合わせ、高精度のパイプ加工に挑んでおります。


テラダはこれからもその技術を深め様々な加工に対応する為に、より高難度な製品に挑戦することで日本のモノづくりを引っ張るリーディングカンパニーとなりたい、より高精度な超薄物旋盤加工を広めていきたい、と考えております。

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