ヘリウムのお話
ヘリウムの元素記号はHe。
原子番号2の元素。
自然界(天然ガス中)には微量にしか含まれないガス(希ガス)です。
「無味」「無臭」「無色」「無毒」で、空気より比重が軽く、他の元素と化合しないので物理的にも化学的にも極めて安定した、不活性のガス(他の元素や化合物と容易に反応しないガス)です。
大気の主成分である窒素は、1気圧の下で凝縮点(気体が液体に・液体が気体に変化する温度)が77.3K(-196℃)です。
ヘリウムの凝縮点は4.2K(−269℃)で、窒素に比べさらに低温であることがわかります。
また、このヘリウム凝縮点の4.2K(−269℃)という温度のときには、ヘリウム以外のすべての物質は固体になっています。
凝固点(液体から固体に・固体から液体に変化する温度)で比較すると、窒素の凝固点は63K(-210 °C)なのですが、なんとヘリウムは0K(−273.15℃)でもまだ固体になりません。
元素番号1番の元素である水素でも凝固点は13K(-260℃)ですので、ヘリウムの性質は特別なのです。
このヘリウムの凝縮点からさらに低い温度域までを「極低温」、それよりもさらに低温の0.01K以下は「超低温」といわれています。
テラダは、このヘリウムの特性を利用して極低温の環境を維持する装置(クライオスタット)を製造しています。